『親鸞伝絵』六角夢想・選択本願の段

                                参考資料  『親鸞伝絵』 ~『伝絵』に描かれた親鸞聖人~より

 聖人の妻である恵信(えしん)尼(に)さまの消息(しようそく)には、この時のことについて、「山を出でて、六角堂(ろつかくどう)に百日籠(こも)もらせたまひて、後世(ごせ)のこといのりまうさせたまひける」とあり、聖人(にん)は比叡山を直ちに六角堂(ろつかくどう)に籠(こも)もられた後、法然(ほうねん)聖人のもとに行かれたという記述になってます。
 しかし覚如(かくによ)上人が制定した『親鸞伝(でん)絵(ね)(御伝鈔(ごでんしよう))』では第二段を「吉水入室」、第三段を「六角夢想(むそう)」としており、法然(ほうねん)聖人のもとへ入門された後に、六角堂(ろつかくどう)に参籠(さんろう)されたとなっており、順番が違います。ただ、いずれにしても比叡山を下りた法然(ほうねん)聖人のもとに行き、「専修(せんじゆ)念仏(ねんぶつ)」に記したということになります。

「六角夢想」の段(上巻第三段)
―六角堂で夢告を受ける
※比叡山で二十年の修行ののち、山を下りた聖人は、
 聖徳太子ゆかりの京都の六角堂に籠もられ、救世菩薩から夢告をお受けになる。

                                               高田本『親鸞聖人伝絵』(専修寺蔵)








「選択本願」(上巻第五段)
―『選択集』を伝授される
※法然聖人のお弟子になられた聖人は、吉水の草案で、法然聖人の主著『選択本願念仏集』を伝授され、
 肖像画を写すことを許されました。




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